第1回: シンコペーション
- feat. 「リュウのテーマ」 / 下村陽子
- 「Theme of Ryu」 / Yoko Shimomura @ 1991
- 名前なんてなんでもいいんだけどね笑
- Syncopation, Anticipation, Delayed Attack...Anything is all right
宮下
…なんかバトル曲はどうしてもこう「マイナー調」 ( wiki )でガツっとっていう
いわゆる定番がスーファミやプレステくらいまでの世代は多かった気がするけどね。
そういう意味だとやっぱ「マリオRPG」 ( wiki )のBGMはすごいと思うよ
Ikkyū
マリオRPGの作曲者であります「下村陽子さん」 ( wiki )は「スト2」 ( wiki )の曲も作っていて
リュウのテーマの忙しなさが面白いです。
最後のサビに移行する所は「シンコペーション」 ( wiki )か「アンティシペーション」 ( wiki )か使っていますか?
宮下
リュウのテーマはアンティシペーションではなく「ディレイドアタック」になるのかな。
ただこのディレイドアタックっていわゆる
「バークリー音楽院」が提唱している「バークリーメソッド」
(日本人しかバークリーメソッドという名前を使わない)での名称でなんともなんだけど。
とりあえずバークリーメソッドでは
「シンコペ」を「アンティシペーション」と「ディレイドアタック」にの2つに分けてて、
そもそもシンコペは「強拍」 ( wiki )を「弱拍」 ( wiki )にずらすという意味で、
アンティシペーションは本来強拍部にあるはずの音をその前の弱拍部から音を先出しして
強拍部まで伸ばすことで強拍をずらす手法。
anticipateって英単語が映画とか海外ドラマの会話でもちょいちょい出てくると思うんだけど、
意味は予測するとか、楽しみにするとかって意味で、それと絡めて覚えると分かりやすいかも。
ディレイドアタックは
本来強拍にあるはずの音を強拍部では休符(休符ではない場合もあるがそれはまた)にして、
その後の弱拍部で出してやる手法。
これも英語でDelayed Attackでもう見たまんまだよね笑
宮下
人によってはアンティシペーションがシンコペで、
ディレイドアタックがアンティシペーションとかって人もいるし
まぁ名前なんてなんでもいいんだけどね笑
(*後日)
(*追記: 22, Oct, 2017)
Ikkyū
「ジョンレノン」 、「イマジン」 ( wiki )の
Aメロ出だしとサビの出だしはシンコペーションですか?
宮下
シンコペといってもいいと思う。
本来の強拍部から遅らせて弱拍部にリズムが来ているからディレイドアタック。
ただこれはメロディだけを「4分音符」 ( wiki )で見た場合で、
全体で聴くとただメロディーの頭が「休符」 ( google )とも取れるのかな。
ごめん、ちょっとあやふや笑
でも俺ならシンコぺと言っちゃう。
宮下
ちなみにディレイドアタックで有名な曲は「ベートーベン」 の「運命」 ( wiki )。
ジャジャジャジャーンのところも頭シンコぺ(ディレイドアタック)
しててそのあともたくさんシンコペ続出してくる曲。
Ikkyū
休符を使ってシンコペーションの効果を出すこともできるんですね。
音符の役割を考えたら納得です。面白いですね。
この度は第1回の内容に質問して追記をしました。
他の回や話でもテーマを掘り返す事があるかと思います。
その時はよろしくお願いいたします。
*to be continued...
第2回: 転調
- feat. 「時を刻む唄」 / 麻枝准
- 「Toki wo kizamu uta」 / Jun Maeda @ 2008
- リディアンを返して同じ調に戻る
- Lydian scale return to the same key
Ikkyū
良い意味での違和を感じる曲ですがどうでしょうか。
宮下
もうメルボルン笑
てか一曲目(*時を刻む唄)はやられたよ…
素晴らしい!
宮下
サビ前でおそらく「リディアン」 ( google )っていうスケール(5度上とも言える)をかえして
また同じ調に戻ってるんだけどその動きが非常に面白い!
最初聴いたとき頭のコードがうまいからから「転調」 ( wiki )したかと思った!
正確にいうと「並行調」 ( wiki )への転調だから転調なんだけど、
その前に転調を挟んだことによってより効果的にしてるとおもう!
仮にAメロをAm調だったと仮定すると
Am(A、Bメロ)
↓
G(Bメロ最後)
↓
Cメジャー調(サビ)
って感じで転調してて
Am とCは並行調という関係を持っていて
簡単に言えば同じ構成音で作られてるスケール
ごめん、わかりやすい説明できないや…
(*後日)
宮下
時を刻む唄の解釈間違ってるかも!笑 ちょっと待ってて!
宮下
この曲ちょっと微妙だ笑
宮下
もう一度アナライズし直してみて、
言葉だけで伝えるのが大変そうだから
この歌詞サイトを元に説明しようと思う。
ただ若干このサイトのコード間違ってます。
http://www.ufret.jp/song.phpodata=3756
時を刻む唄 / Lia ギターコード譜 - U-フレット
宮下
まず最初のイントロはGメイジャーキー
(以後メイジャーキーのみGきーというようにメイジャーを省略します)。
そしてAメロに入った時にEmキー
(「モード」 ( wiki )として解釈するならEの「エオリアン」 ( wiki))
に転調。
そしてここからの解釈が微妙なところで、
理論的に一番当てはまるのがBメロの
「間に」のところのEmコードが
EmキーとDキーの「ピボット」 ( google )
(転調の際に両キーの共通するコード)になっていて
そこからDキーに転調。
そしてまた「君だけが」からEmキー。
2周目も同じ。ただサビのところでGキーに転調。
Bメロの部分にあるFコードが結構問題で、
Dキーに転調と考えるとDmからⅢ♭の借用コードで
マイナーな「サブドミナント」 ( wiki )的なアプローチと考えられる
(専門用語の説明をするともはや講義を開かないといけなくなるから
省かせていただきます)。
けどあまり腑に落ちない。
ちなみにリディアンと考えると
このFコードはなんなんだということになって、理論的な解釈ができない。
宮下
と思ったけど、もしかしたらEmコードのところでDキーにじゃなく
CキーにいってAコードのところでDキー転調でサビGキーかも!
これが一番しっくりくる!
コード進行
CM7→Bm→Em→F→F#dim(サイトの方だとD7と書いてあるが間違い)→G→A
この最初のコード進行(CM7からF)は
Cキーのコード進行でも使えるからFに非常に行きやすいよね。
だからある意味これはCのリディアンとして解釈してもいいのかもしれない。
ごめん、理論的な説明をしたいんだけど
ここの話しは基礎から少し外れた話しで簡単にうまく説明できなくて…
どうしても気になるなら説明してもいいんだけど、
ちょっとした授業を開催しないといけなくなる笑。
Ikkyū
丁寧に再度解釈して頂きありがとうございます。
ところで有名な曲は公式(ミュージシャン側)から解釈が出ますか?
それとも著名な評論家や権威のある雑誌が発表したものが一般的な解釈になりますか?
宮下
公式に解釈が出ることはないんだよね。ずるいことに笑
まぁ作曲者が自分の意図を語ることはあるけどね。
というのもひとつは音楽理論自体結構曖昧なところがあったり、
いわゆる流行りの理論というのはあるけど共通の理論というのがなかったりするんだよね。
たとえば今俺が書いたことは基本的に「バークリー」の理論が元になっていて、
「クラシック」出身の違う理論を学んだ人からするとなんだこれは
ということがあったりするんだよ。
同じ理論の中でも対立があったりするからね。
そしてもうひとつは「クラシック以外の音楽」家全体が非常に怠惰であり、
作曲者ですら理論の勉強を怠っているから、
そこを突っ込まれると何も語れないから。大変遺憾に思います笑
まぁただそれが面白いとこでもあるんだけどね。
理論を全く知らない人がものすごい面白いことをしてたり、
知らないからこそできることがあったり。
…これが言い訳になることもあるけど笑
*to be continued...
第3回: トリッキーな転調
- feat. 「君の中で踊りたい」 / B'z
- 「Kimi no naka de odoritai」 @ 1989
- 人生で初めてこの進行を見たよ笑
- This is the first time in my life I found out this chord progression
Ikkyū
時を刻む唄がサビ前に転調していることに気付いていませんでした。
教えて頂きありがとうございました。
ところで時を刻む唄を作曲した「麻枝准」 ( wiki )さんがtwitterで君の中で踊りたいが
サビの途中で「転調」 ( wiki )する所が気になると言っていました。
宮下
君の中で踊りたいは意識して聴いてなかったなぁ…
サビの途中というかサビ前の「願いが叶うよ」で転調して
サビ直前でまた転調って感じかな。
そこのコード進行はかなり面白くて
①D→②E→③C#m→④F#
なんだろうけどAメロがF#mキーで
Bメロの頭の①DでAキーに転調、
④F#の時にF#に一時転調して
サビの頭でC#mキーに突然転調するという
かなりトリッキーな動きだね!
おそらく④F#のときのメロディーがBから半音下がっての
A#(F#の3度音でコードの肝になる音、リーディングトーン)で
強引にF#の感じを出して、さらに2/4無理やり伸ばしたことによって
調をふわっとさせてまたC#mに突然転調って感じかな。
てか人生で初めてこの進行を見たよ笑
歌詞でいうと
『D願いが→E叶うよ→C#m今夜こ→F#そは』で
『願いが』のDでF#mからAに並行転調、『そは』でAからF#に一時転調、
『踊りたい』からC#mに突然転調です。
まぁ細かい理論はともかく
歌詞で転調部を意識して聴いてみると分かりやすいかも!
Ikkyū
当時は気が付きませんでしたがBメロの唐突感と変則感が凄いです。
「初期のアルバム」 ( wiki )は「中期」 ( google )に比べて聴いていませんでした。
改めて聴いてみたら発見がありそうですね。
ありがとうございました。
*to be continued...
第4回: メロディーとコード進行
- feat. 「ナパームマンステージ」 / 山口真理
- 「Napalm man stage」 / Mari Yamaguchi @ 1992
- てかナパームマンすごいな!最初聴いたとき笑っちゃった笑
- Theme of Napalm man is amaging. I laughed when I first heard of this
Ikkyū
曲の構成はイントロ-Aメロ-Bメロ-Bメロ´=サビです。
BメロからBメロ´へ移行する所のメロディー展開(「コード進行」 ( wiki )がスムーズで好きなのですが
「アルペジオ」 ( wiki )が綺麗なのでしょうか?
解説があればお願いします。
宮下
てかナパームマンすごいな!最初聴いたとき笑っちゃった笑
なんかいろいろやってて、
また時間があるときに詳しく聴いてみる!
(*後日)
宮下
ナパームマン解析してみたけどなかなかトリッキーだった笑
Ikkyūの指摘してたBからB'のところはその通りで、
「転調」 ( wiki )してるところのメロディーが非常にキレイかつ
うしろのアルペジオのコード進行もとてもスムースだと思う。
理論的にいうとBに入った瞬間のコードアルペジオがF#のコードトーンを使っていて、
そこからAmのコードトーン、最後にBのコードトーンでB'のEコードに移行するんだけど、
その動きがキレイで要は
F#→A→Bって少しずつコードが上昇してるから耳触りは非常に良いと思う。
実際ここのコードは他のコードも当てられるんだけど
Bの最後のBコードにいきたいがためにあえてこのコード進行にしたんだと思う。
だから2つ目のコードのAmのところでEmキーに移調してよりスムーズな進行にして、
そして最後のBコードはEmキーの「ドミナントコード」 ( wiki )と呼ばれててEに非常に移行しやすく、
その結果B'のあたまのコードEにキレイに着地したって感じかな。
でもそこのキーはEではなくBなんだけど(A♭mキーの「並行調」 ( wiki ))。
コードは
F#→Am→B→E(サビB')
キーは
B →Em →B(サビB')
メロディーラインも非常にキレイで最後のBからB'に移るところは
メロディがBの4度→5度→7度でEの3度(B'の頭)にいくから聴いてて気持ちいいと思う!
宮下
これ以外にもAメロのメロディも凝ってて
「ドリアン」 ( wiki )って言われてる「モード」 ( wiki )(「So What」とかで使われてる)
っぽい動きがあったりまぁ面白い笑
宮下
「変拍子」 ( wiki )は言わずもがなだと思う!
宮下
まぁ理論的な見地からみてもIkkyūのナパームマンに感じた感覚は非常に正しいと思うよ!!
音楽をちゃんと聴いてる人が基本的に何かしら感じるところは
理論的にもキレイだったり面白かったりすることが多いと思う。
逆に言えば理論的にキレイだったりアイディアがうまくハマったりすれば
音楽好きはしっかりと反応を示してくれるってことだと信じている笑
理論を知らなくても!
Ikkyū
とても具体的で音をイメージしやすい解説でした。ありがとうございます。
ドリアンが使われている箇所はどこですか?
宮下
正直言うとドリアンとか「モード」(日本語だと「旋法」)の説明は非常にややこしくて、
まぁスケールの一種と考えるのがわかりやすいのかな。
正確に言うとそれはモードスケールという話しなんだけど。
スケールはメイジャースケール(「長音階」)、マイナースケール(「短音階」)の2つが有名だと思うんだけど、
それ以外にも実は色々あって(マイナースケール3種を除く)、
そのそれ以外をまぁモードスケールと解釈して大丈夫だと思う。
具体的にドリアンを踏まえつついうと
マイナースケール(ナチュラルマイナー)の構成音は
1度 2度 ♭3度 4度 5度 ♭6度 ♭7度
なんだけどドリアンは
1度 2度 ♭3度 4度 5度 6度 ♭7度
でマイナースケールに比べて♭6度が半音上がるんだよね。
だからもちろんドリアンを用いた時のメロディーはマイナースケールとは異なって、
よりメイジャースケールに近くなる分明るくなるって言われてる。
参考までに↓
メイジャー
1度 2度 3度 4度 5度 6度 7度
マイナー
1度 2度 ♭3度 4度 5度 ♭6度 ♭7度
ドリアン
1度 2度 ♭3度 4度 5度 6度 ♭7度
Cキーと仮定した時の構成音
メイジャー
C D E F G A B
マイナー
C D E♭ F G A♭ B♭
ドリアン
C D E♭ F G A B♭
そしてナパームマンのAメロのメロディーには
この6度のAの音が使われてるんだよね。
そして面白いのはその後に♭6度のA♭も使われてて、
だからニュアンスとしてはドリアンスケールを
ちょっとだけマイナーキーの部分に取り入れたという感じかな。
たーたたたったったったったたーたたター
のカタカナの最後のターの部分が6度なんだけど、
これじゃわからないよね笑
Ikkyū
最後のターの部分の6度わかりました。
確かに暗い感じが出ています。
説明ありがとうございます。
宮下
ナパームマンの最後のターの部分はマイナースケールよりも
実はちょっと明るい感じの響きになってるんだけどね。
それでもメイジャーに比べたら暗いから感覚としては暗い感じで正しいと思う。
(*後日)
宮下
クリシェについて書き忘れたから追記で!
ナパームマンのBメロのアルペジオはコード全体が変わっていくから「クリシェ」 ( wiki )ではないんだよね。
基本的にクリシェはコードトーンのどれか一音(二音もあり)が半音ずつ動いていくというもので、
例えばCM7でいうと、
「コードトーン」( google )がC,E,G,Bでこれに対してBを半音ずつ下げていくと、
C E G B (CM7)
C E G B♭(C7)
C E G A (C6)
C E G A♭(C+又はCaug)
となって、コードの大元はCで変わらず内部の音だけが変わっていくんだよ。
この例だと7th音の変化だけど、1,3,5thどれでも変化可能。
だから
CM7→C7→C6→C7とか
C→Caug→C6→Caug(5th音の上昇パターン)とかってコード進行は定番です。
*to be continued...
第5回: 平行調
- feat. 「ファインダー(imoutoid's Finder Is Not Desktop Experience Remix)」
- / imoutoid - kz(livetune) @ 2009/2008
- ポップスというものの可能性を信じてたという強い意思を感じるよ
- This song remains his strong will he has been belived the possibility of Pop Music
Ikkyū
唯一無二の曲と言えば(*創作の姿勢について第1回:唯一無二の曲が聴きたいの下りを参照してください)
imoutoidリミックスのファインダーです
Ikkyū
ポップな感覚が土台にあります。
「R&B」 ( wiki )のグルーブ感があります。
「アンビエント」 ( wiki )の揺らぎがあります。
「エレクトロニカ」 ( wiki )のノイズがあります。
「クラシック」 ( wiki )の気品があります。
様々な要素を含みながらも調和しています。
一方でいつ壊れてもおかしくない危うさもあります。
とても芸術家らしい曲だと思います。
宮下
imoutoidのファインダーの音使いは本当に洗練されてると思う。
ポップスというものの可能性を信じてたという強い意思を感じるよ。
Ikkyū
Aメロに入る前の「弦楽」 ( wiki )の「転調」 ( wiki )でいきなりドキっとします。
アウトロも結局、歪(いびつ)な感じで終わります。
「21世紀の精神異常者」 ( wiki )な音楽ですね笑
これがフェイバリットな私や同類の方もその内の一人ですけども笑
(*追記: 29, Oct, 2017)
*imoutoidさんの楽曲を 「こちら 」 にて特集しています。
宮下
それにしてもIkkyūはちゃんと音楽を聴いているよね。
恥ずかしながら俺はファインダーの前奏部の
ストリングスちゃんと聴けてなかったよ…反省します。
Ikkyū
ナパームマンAメロのマイナーキー挿入(*音楽理論第3回:ナパームマンステージを参照して下さい)など
私にとって細部の所は聞き取れていません。
そういった細やかな音の判別は実際音楽をされてる方の強みだと思います。
私のみならず他の人にも音楽の面白さを語っていってほしいです。
Ikkyū
ナパームマンは「調性 」 と「メロディ」と「コード進行」が
一体となっていますが、
imoutoidはメロディーは明るめなのに
コードと調性は暗めで面白いですよね。(表現あっていますか?)
宮下
imoutoidは最初のAメロはメジャーキーで始まって
2周目のAメロはマイナーキーのニュアンスをベースラインで出してるのが面白いよね。
Bメロも出だしおそらく6度マイナーのコードを使ってるから暗い感じがあるよね。
実はあまり耳が良くなくて絶対音感でもないから
正確にストリングスの音を拾えないんだけど、
3度を省いて9thの音をいれる、俗にいう「add9コード」 ( google )ってのを使ってるから
コードがそこまで明るく感じないじゃないかな?
宮下
メロディーがメイジャーキーでベースがマイナーキーという表現はあまり正確ではなくて、
でもこの部分は音楽やってる人間でも非常に曖昧にしてることが多いんだよね。
この話しで重要になってくるのが「平行調」 ( wiki )という理論なんだけど、
それは何かというと同じ調号なのに異なる調性を持った関係性の調…とかかな笑
これは音階で説明した方がわかりやすくて例えばCスケールは
C D E F G A B
でAmスケールは
A B C D E F G
構成音だけで見ると全く同じなのに調はメイジャーとマイナー。
こういった関係性を「平行調」( wiki )、まぁこの場合は平行音階…とか名付けてみようか笑
補足として「スケール」( wiki )をもう少し具体的に説明しておくよ。
何を持ってメイジャースケールなのか。
それは「トニック」 ( wiki )(ルート、根音、主音など呼び方はそれぞれ)と
そこからの「インターバル」 ( google )(間隔)が
全音、全音、半音、全音、全音、全音、半音のスケールことで、
Cスケール(C D E F G A B)でいうと、
C(トニック)からDが全音、DからEが全音、EからFが半音…というように
上記のインターバルで羅列してるんだよね。
「ピアノ」( wiki )の鍵盤をみるとわかりやすくて
白鍵をCから1つずつ弾いていけばCスケールになる。
EとFの間には黒鍵がないから半音、BとCの間にも黒鍵がないから半音、
そのほかは全て間に黒鍵があるから全音…わかりにくいかな?笑
ちなみにマイナースケールはトニックから
全半全全半全全のインターバル。
A B C D E F G (A)
そして最初の話に戻るとなんでメロディーがメイジャーキーで
ベースがマイナーキーという表現があまり正確ではないかといえば、
メイジャーキーとマイナーキーが
1つの曲で同時に共存することは基本的にないとされているから
(あくまで『同時に』で、転調すればもちろん1つの曲で共存可能)。
それじゃあもしギターでメイジャースケール、
メロディーにピアノでAmスケールを
同時に弾いたらどうなるのか…
その場合CとAどちらが低い音かによってキーが決まるんだよね。
なぜなら低い音が「トニック」 ( wiki )(ルート)になって、
その瞬間耳がスケールを判断してしまうから
(実は音価だったり音色、音量も関係するんだけど)。
ただCスケールとAmスケールが共存しているとは言えないこともなくて、
そういうのを「ハイブリッドスケール」 ( google )と呼んだりするんだけど、
まぁ忘れてもらって大丈夫笑
Ikkyū
平行調は構成音が同じだから相反する調性にも転調しやすいという事ですか?
Ikkyū
トニックが低い音によって決まるということは面白いですね。
耳が勝手に低い音を重視して拾う事は人間の自然な感覚という意味ですか?
宮下
構成音が同じだから相反する調性にと転調しやすい、その通りです。
付け足すと「ダイアトニックコード」 ( google)と呼ばれるスケールからできるコード(7個)も
ほとんど一緒だかれ非常に転調しやすいです。
それ故にどこまでを転調と捉えるのかも難しいんだけど。
宮下
人体に関してはあまり勉強をしてないので
なぜ低音がルート音として重要なキーになってくるのかわからないっす笑
ちょっと不思議だよね。
これに対していろいろ考えることは結構面白いよ。
ただ「ローインターバルリミット」と呼ばれている、
いわゆる人間がコードとして知覚できる限界の音というのは
それぞれのコードで決まってるんだよね。
要はそれ以上低い音だと
一般的に人間は正確なコードとして聴くことができない最低音。
Ikkyū
どこまでを転調と捉えるか。
その話面白そうですね。
でも語るのも大変そうですね笑
宮下
どこまで転調と捉えるのかは
また次会った時にもし興味があればギターでも持ちながら話そう笑
*to be continued...
第6回: 平行短調への転調
- feat. 「田園」 / 玉置浩二×槇原敬之
- 「Den en」 / Koji Tamaki×Noriyuki Makihara @ 2014/1996
- 他にいい例が思いつかない笑
- I cannot remember good example other than this song
Ikkyū
imoutoidが「マイナーキー」 ( wiki )のニュアンスを「ベースライン」( wiki )で出している
と教えて頂いて質問があります。
メロディーが「メジャーキー」 ( wiki )でベースがマイナーキーのように
相反する組み合わせは頻繁にあったりするものですか?
宮下
ファインダーの2週目のAメロは
マイナーキーのニュアンスをベースで出してるって言ったのは
あまり良い表現じゃなかったね。
正確に言えば、2週目のAメロの最初でベースが
「平行短調」 ( wiki )のトニックを弾いているから
そこで平行調転調している…かな。
それとこういったメイジャーキーから始まって
ベースラインがいきなり平行短調に変わって転調する曲はかなり多いよ。
ただ問題になるのが…って思ったけど
これ以上は混乱を招くだけな気がするから割愛するよ笑
一応参考までに実例を。
宮下
これはAメロのベースラインがマイナースケール、
それに対してメロディーをメイジャースケールっぽく使っている。
宮下
他にいい例が思いつかない笑
また思いついた時に!
ただこの逆もたくさんあるよ!
ベースラインがメイジャーでメロディーがマイナーパターン。
ちょっと疲れたから今日はこれで、
キー、スケール、トーナリティーはまた次に!笑
Ikkyū
べースラインが平行短調に変わって転調する曲が多いという事は
Aメロ二周目で雰囲気が変わる曲が多いのでわかります。
Ikkyū
田園はベースのマイナーを強く意識して
メロディもマイナーのように聞いていましたが、
言われてみるとメロディはメジャーですね。
良い例をありがとうございます。
*to be continued...
第7回: リズムと分散和音
- feat. 「L9」 / paraoka / short ( 1:24秒 ) ver. @ 2001
- Rhythm & Broken chord
- どうやって言葉で説明すればいいのだろうか…笑
- It is difficult to explain rhythm by using words
Ikkyū
L9を解説して頂けたら嬉しいです。
曲の構成は
イントロ-Aメロ-Bメロ-ブリッジ-コーラス-ブリッジ=イントロ-アウトロ
になります。
この曲は日本人が書きましたが「リズム」を主軸に練られています。
(*Small Talk第7話:日本人の持つ最大の武器はメロディーを参照してください)
そしてメロディーがリズムとして使われている曲です。
イントロ-Aメロから動きが激しく荒れた曲調になる事を予想させます。
Bメロでは更に荒ぶり急速に落下していくかのようなリズム=メロディーになります。
ブリッジ(*つなぎ)で急に動きが止まりギアチェンジします。
(*「Master Of puppets」のイントロの動きのように)
今まで下降傾向が強かった旋律がここで初めて明確に上昇します。
上昇の「モチーフ」はイントロとAメロで度々登場していました。
*小話第7回:罪の名前も上昇するモチーフが随所に使われていた曲でした。
コーラスは安定した力強い二拍子になり流暢なアルペジオが綴られます。
*罪の名前も二拍子とアルペジオによって物語を推進していました
最後に遊びがあります。安定したまま終わるかと思いきや
ブリッジで変拍子になります。そしてイントロの旋律を繰り返します。
イントロ=モチーフと同じ旋律を使うことで躍動するリズム性を前面に出します。
動的な曲であるというアイデンティティを強調しています。
動が静に落ち着いて解決するのではなく
動が動のままで安定しているという説得力があります。
宮下
もしL9の特徴を理論的に述べろといわれたらまずは
Ikkyūの言った通りまぁ変拍子たったり多様なリズムだったりで、
次にあげるとしたらメロディーラインというのがあるようで
実はそれぞれの「コードトーン」 ( google )を次々に鳴らして
それをメロディーの代わりに用いているというとこかな。
「分散和音」 ( wiki )(アルペジオという人もいるけど少しニュアンスが違ったりする。)
とか言ったりするんだけど。
「アルペジエーター」を知っているならそれを思い浮かべてもらえるとわかりやすいと思う。
ただAメロとサビは結構長めに尺を一つのキーを使って
そこまで分散和音的ではないからそこで曲がある程度安定するかなと思う。
この曲の場合メロディーに対して「ホリゾンタル」という表現より
「コーダル」という表現のほうがしっくりくるかな。
そしてコードで動いていくから細かくどこがどのキーやモードなのかとかはっきりとわからないです笑
ただAメロは「ミクソリディアン」 ( google )のニュアンスがあるよ!
サビは普通にメイジャーキー。あとはコロコロ動いていくからなんとも笑
あとBメロのメロディーは上下してるけど、
コードは下がっていってそれに合わせて「移調」 ( wiki )的にキーも下がっていくから
大きく見れば下降していく旋律でいいと思うよ。
ちなみにサビもベースはずっと降りている
(確か「ベースペダル」とかって言った気がするんだけど定かじゃないです笑)んだけど、
キーは固定でメロディーは下降してないからBメロとは違うよね。
俺はイントロのフレーズがアウトロで再び出てくれるとちょっとホッとすると同時に
そのフレーズが好きなフレーズだとよっしゃってなる笑
まぁ「キンクリの精神異常者」 ( wiki )なんだけど笑
でも確かにアイデンティティーがはっきりするよね。
特にコロコロ変わっていたり、
はっきりとしたメロディーがない曲でそれがないと不明瞭なまま終わった感じがしなくもない。
あと細かい拍の説明は必要ないと思うんけど、
一つだけ6/16と3/8について。ただこの曲の「BPM」 ( wiki )が123ってかいてあったから
こういう拍になって少しわかりづらいから、
BPMを2倍の246でとって説明しようと思う。
その場合イントロの拍子が
「6/8」(この拍子をよくハチロクとかって言う)と「3/4」(3拍子、「ワルツ」)という
2つの拍子でつくられてて(基本原理は6/16と3/8でも同じ。
ただテンポを倍でとっただけ)…てかどうやって言葉で説明すればいいのだろうか…笑
最初のタラタタラタ、タラタタラタ…が6/8で
その後のタッタッタッ、タッタッタッが3/4なんだけど、これでわかるかな?笑
とりあえず違いを。
6/8は3/8+3/8というように6/8のリズムを感覚として2つ区切りにしてとるんだよね。
だからタラタ、タラタでで一小節。
3/4は1/4(2/8)+1/4(2/8)+1/4(2/8)というように
三つ区切りでとる拍子。
だからタッ、タッ、タッで一小節。
だから6/8は基本拍子は二拍子と考えてもいいよね。もちろん3/4は三拍子。
この2つの拍子の記譜の仕方はちゃんと区別されたものがあるんだけど、
それでもこれが楽譜のちょっとした弱点だったりもして、
そこに目をつけて新しい楽譜の書き方を提唱したのがコリア―だったりするんだけど、
(*創作の姿勢について第2回にてジェイコブコリア―を取り上げています)
まぁまた話しがズレたね笑。
Ikkyū
「コードトーン」という捉え方を知りませんでした。
確かにメロディーと表現するよりも適切です。
「拍子」の話は音楽理論の本を読んでもピンと来ていませんでした。
真の説明で6/8ハチロク拍子が理解できました。
小節で考えると分かり易いですね。
ありがとうございました。
(*追記: 29, Oct, 2017)
*paraokaさんの楽曲を 「こちら 」 にて特集しています。
*to be continued...
第8回: 移調、パラレルモーション
- feat. 「Luna's Boat Song」 & 「風のノクタ―ン」 / 岩垂徳行 @ 1996
- Parallel motion
- luna簡単そうだったから先にこれだけアナライズしてみた
- I analized this song first because this seemed to be easy to analize
Ikkyū
王道なメロディーと展開の様ですが「音楽理論」 ( wiki )もそうでしょうか?
宮下
「Luna」 ( wiki )簡単そうだったから先にこれだけアナライズしてみたけど、
(*小話8-10:3曲の解析が滞っている下りから)
「ワンキー」 ( google )の単縦な理論というわけではなかったかな。
とりあえず出だしの「6/4」 ( wiki )というか、これは面白いなと思った。
「ピッチカート」 ( wiki )音が「シンコペ」 ( wiki )で入ってるんだけど、
「4/4」 ( wiki )になるところから2拍目の裏にその音が来るようになって、
その結果最初の2小節(6/4と取った場合)を浮かないようにしてるんだと思う。
それとBメロの最初にEmコードが使われているんだけど、これは少し珍しいかな。
というのもAメロのキーはAで、Aメロの最期のコードがEなんだけど、
このEというのは「ドミナント」 ( wiki )と呼ばれるAスケールの核になるコードの1つで、
それがE→Emと進行してBメロの最初でDキーに転調して、
そのあとBメロの頭から
Em→A→D→DmとなってこのDmからまたAキーに転調なんだけど、
このDmはなかなか仕掛けが上手で、
というのもBメロの頭でE→Emとマイナーにコードを変えたことによって、
Dの時もDmに移るような予感を与えてるんだよね。
「パラレルモーション」 ( google)(一時移調のような考え方)という理論があるんだけど、それの応用だね。
そしてBメロの最後で
D→D7→D♭7→G♭(サビ)
という進行でG♭キー(サビの頭)に転調。
そしてまぁまぁ転調しているのにも関わらずシンプルな、王道な感じに聴こえる理由として
①コードに「テンション」 ( wiki )と呼ばれる音があまり含まれていないため。
②メロディーにもあまり転調感を出さないような工夫をしている
(具体的に言えばBメロでDキーに移ったときにも、
メロディーはDスケールとEスケールの共通音を使っている)。
とかかな。
Ikkyū
パラレルモーションは大変納得が行きました。
メロディーに照らしてコードを追ってみると一目ですね。
王道な曲でも意外に工夫がなされているのですね。
この曲に惹かれた理由がわかりました。
ありがとうございました。
(*Small Talk第7話:日本人の持つ最大の武器はメロディーでも取り上げています)
*「FLASH動画」 ( wiki ) 「しぃのうた」 ( ニコニコ )では
英語版の声が加工されて使われています
*to be continued...
第9回: モーダルインターチェンジ、借用コード
- feat. 「ブルースステージ」 / 山口真理
- 「Blues stage」 / Mari Yamaguchi @ 1992
- もし偶然だったら天才だね笑
- If she uses this tecnique un-intentionally, she is genious
(*小話第8話でも本曲を取り上げています)
Ikkyū
「ナパームマンステージ」と同じく「山口真理さん」が作曲しています。
(*音楽理論第4回にて同じ作曲者さんを取り上げています)
Bメロが妙に耳に残り以前から気になっていた曲です。
曲の構成は
Aメロ-ブリッジ-Bメロ-ブリッジ-サビ
になります。
イントロが無くAメロから始まります。
Aメロはアタックが強く「テンション」 ( wiki )の強い旋律です。
初動は強いのですがその後は尻すぼみになって消化不良に終わります。
ブリッジ(*つなぎ)は今までの出し切れない感を払拭するかのように
曲調の変化を予想させる明るい音色と小気味いいリズムです。
Bメロです。
Aメロと同じくアタックが強いです。こちらはやや長調気味です。
一音一音が弾けるように上がり調のメロディーになっています。
その後はAメロと同じく尻すぼみしていきます。
しかしAメロの消化不良が解消される心地になります。
Aメロと似た構成の旋律を繰り返すことで曲の展開に納得できるからです。
文章に表しますと
Aメロ:厳しい戦いが始まりそうだ
↓
Bメロ:厳しい戦いが始まった。乗り越えようとしたが道は険しい
↓
サビ:厳しい戦いを乗り越えている最中
となります。
Aメロの消化不良は曲展開がマイナー調に進んでいきそうな
不透明感と緊張した音使いが生んでいます。
それがBメロでは厳しい状況はやはり厳しいと
メロディーの流れに納得する意味で消化不良が解消されています。
そしてBメロ終わりのブリッジで展開が変わります。
1回目のBメロのように旋律を下降するのではなく
上昇させて勢いに乗せてサビに向かいます。
サビはAメロBメロの落ちていく傾向とは対照的に上方に突き抜ける音使いです。
Bメロで現実に納得した上でブリッジとサビでは過去を振り切り前を向いて戦いに臨みます。
曲の背景には仲間であった「ブルース」との避けられない戦いという哀愁があります。
哀しみを背負い覚悟をして立ち向かっていく姿は「ロックマン 」です。
「ロックマンシリーズ」然とした曲調と構成です。
*「ロックマン10」は第10作を記念して歴代のクリエイターが集結して作曲しています。
*そちらに収録されている「ワイリーステージ1」はブルースステージ系統の王道な展開をリスペクトしています。
(*追記: 6, Dec, 2017)
*「ロックマン9」収録の「FLASH IN THE DARK」もお薦めです。
(*後日)
(*追記: 7, Oct, 2017)
宮下
ダークマン (ブルースステージ)またちょっと時間ちょうだい笑
(*音楽理論第4回にて同じ作曲者さんを取り上げた際、時間がかかった下りから)
(*後日)
(*追記: 22, Oct, 2017)
宮下
そして遅くなったけどダークマン。
「ナパームマン」もそうだったけど、「この人」の曲は結構面白いね。
とりあえず軽く解説すると、
AメロがEの「ドリアン」 ( google )が使われていて、
曲の雰囲気はマイナーキーよりちょっと明るい雰囲気が出てると思う。
ただ面白いことに♭ⅥM7というコードが途中でつかわれていて、
このコードはEドリアンではなくE「エオリアン」 ( google )
(マイナーキーと同一だけど、今回はモードで統一して書きます)のコードで、
こういうのを「モーダルインターチェンジ」 ( google )(名前の通り「モード」での「転調」の一種)と呼んだりします。
ただこの場合「二拍」 ( wiki )ほどだから、チェンジというよりは「借用コード」 ( google )
という形でほかのモードからコードを借りてきていると捉えた方がナチュラルだと思う。
進行を書くと
Em→A→G→A→C(エオリアンからの借用)→D
このCは4小節目の頭。
このCコードのせい(おかげ?笑)でAメロが消化不良に感じるんだと思う。
このCによってエオリアン(短調)の感じが増すからね。
でもたった二拍かつメイジャーコードだからそこまで暗い感じもなく、
ドリアンの雰囲気を損なってもないからスパイスとして非常に良いコードだと思う。
そしてBメロも出だしは同じくEドリアンの「コード」と「スケール」なんだけど、
ここはDの「アイオニアン」 ( google )(メイジャーキー、「長調」 ( wiki )と同一)といってもいいと思う。
というのもメロディーの雰囲気がドリアンよりも明るく、
その後でDのエオリアンに違和感なく移るから俺はDアイオニアンと考える。
ちなみにDアイオニアンとEドリアンは同じ構成音だから、
コードもメロディーも同じものが使える(機能は違う)。
進行は
G→F#m→B♭(ここからDエオリアン)→F→C
ここでもエオリアンにチェンジ以降
メイジャーコードしか出ていないか出ていないんだけど、
完全にエオリアンにチェンジしてるから雰囲気は完全に短調だよね。
そしてサビはまずコード進行から書くと
Dm→G→B♭→C→B7
なんだけど出だしはBメロのDエオリアンの雰囲気を引き継いでいるんだけど、
2つ目のGコードはDドリアンのコードで
でもその次のB♭はエオリアンのコード…ということはなんと
Aメロとは逆にエオリアンの時にドリアンのコードの借用
ということを行なっているんだよ。
これは偶然ではなく、作曲者も完全に理論を把握した上で
意図的にやったんだと思う。もし偶然だったら天才だね笑
ちなみにここのメロディーはドリアンとエオリアンの共通音を使用しているから
コード(さっきからコードと言っていたけど「ベースライン」 ( google )とも言い換えられる)
によってモードをかえてます。
ちなみにここもメイジャーコード多様かつGコードによって
あまり短調っぽくしないようにしているよね。
ちなみにGはサビの二小節目の三拍目で少し明るくなった感じが聴いて取れると思う。
ちなみに最後のB7というのはAメロのEドリアンに帰るためのコードでやはり少し暗めの音だよね。
宮下
まとめると
Aメロ
基本Eドリアンで途中Eエオリアンのコードを借用。
その結果ドリアンの暗くも明るくもない、
軽い緊張感とも取れる雰囲気にちょっとした不安なスパイスが香る。
Bメロ
出だしDアイオニアン(Eドリアンとも取れるが雰囲気は同じ)で
少し良好な兆しも見えるがその後のDエオリオンで
やはり厳しい状況への道筋がほのめかされる。
サビ
基本エオリアンで途中ドリアンのコードを借用(Aメロとは逆)。
その結果苦しい中でもどうにかその状況打破したい
という気持ちを感じるもそう簡単にはいかないという焦りも見える。
この感想はどうでしょうか?笑 結構Ikkyūの感想とも似てるかな。
宮下
ちなみにモードには明るさの順番みたいなものがあって、明るい順に
1.「リディアン」 ( google )
2.アイオニアン (長調)
3.「ミクソリディアン」 ( google )
4.ドリアン
5.エオリアン (短調)
6.「フリジアン」 ( google )
7.「ロクリアン」 ( google )
となっててリディアンが1番明るくロクリアンが1番暗いと。
まぁ誰が決めたかは知らないんだけど、一般的にそう感じやすいと言われてます。
だからドリアンはよく1番中間の音彩を持っていると言われてるよね。
おれもよくそんな暗くもしたくないし、なんかでもこう
少し雰囲気を出したいなってときに使うことが多いかな。
あとこの順番に関してそんな反対でもないんだけど、
それでもいうならリディアン、アイオニアン、ミクソリディアンが
俺の中でそんな簡単に評価をつけがたいくらい。
宮下
さらに補足で
上位3つがメイジャー系モード
下位4つがマイナー系モードと呼ばれてて、
理由はⅢ度音がナチュラルなのかフラットしてるのかで、
まぁ前に述べた通りです…述べたよね?笑
(*初めての音楽理論を参照してください)
Ikkyū
お忙しい中解説ありがとうございます。
「借用コード」 ( google )は面白いですね。曲の趣きを決めるアクセントになっています。
他のコードを借りて一概に断定できない心境を表現しているのですね。
Ikkyū
似たような名前で馴染み難かったモードが身近になりました。
あと一曲の中で取り上げていないモードはフリジアンとロクリアンですね。
今後登場されることを期待します。
*to be continued...
第10回: 倚音
- feat. 「ひとつの推理」 / たくまる
- 「Hitotsu no suiri」 / Takumaru @ 1994
- ...そしてエクソシストはただのマイナースケールだった
- ...And The Exorcist Theme was just Minor Scale.
Ikkyū
ホラーサスペンス系のBGMですが
作曲法に共通点がある気がします。
「エクソシスト」 ( wiki )もそうです。
真
「かまいたちの夜」 ( wiki )はメロディーに
「ハーモニックマイナースケール」 ( google )が使われてて、
CHmの構成音は
C D E♭ F G A♭ B
このスケールのBを♭させてあげるとただのCmスケールになる。
ハーモニックマイナーの実用例としては
「イングヴェイ」 ( wiki )がよく使ってのは有名かな。
あとは「バッハの小フーガ」 ( wiki )とか。
クラシック理論的には「ト短調」 ( wiki )を基とした小刻みな転調ないし
「非ハーモニックトーン」 ( wiki )と捉えるのかもしれないけど。
真
そしてエクソシストはただの「マイナースケール」 ( wiki )だった。
ハーモニックマイナーとか「ロクリアン」 ( google )、
「ディミニッシュスケール」 ( google )なんかは結構不安感を出しやすいんだけど、
これに関しては非常に恐怖心を煽る上手なマイナースケールの使い方をしてるよね。
共通点をしいてあげるとすれば、メロディーにあるかな。
これは不安感を出すためによくつかわれるんだけど、
上昇、ないし下降の音階をそのまま並べてあげて、
その間に一つ先の音を入れてあげるという…
言葉だけだと説明が難しい笑
わかりやすく例を挙げると、
Amの音階
A B C D E F G
これが一定間隔に、
例えば適当なテンポの「四分」 ( google )で順番どおり配置されてたとして、
そのあいだに
A C B D C E D F E G F…
A B C D E F
というようにC D E F…の音を挟んであげると
ふつうに上昇(下降でも同様)するよりスパイスが入るんだよね。
真
そしてまぁこんな単純には使ってないんだけど、
両者ともに同じ理屈のメロディーが入ってることは間違いない。
こういうのを「隣音とか倚音」 ( wiki )とかって呼ばれたりもするんだけど。
Ikkyū
音の波をイメージするとジグザグ階段状に構成されているのがわかります。
感覚的に納得がいきました。
Ikkyū
...「女神転生のコトワリボス戦闘」 ( wiki )のAメロにメロディが似ています。
けれども印象が違って聴こえるのは「キー」 ( wiki )違うからですか?
真
かまいたちと「メガテン」 ( wiki )の印象の違いとして
キーはたしかにポイントだと思う。
かまいたちの方がキーがだいぶ高くて
音色は「ベル」 ( wiki )のような音だからちょっとさっぱりしてる気がする。
それに対してメガテンはかまいたちに比べてややキーが低く
「オルガン」 ( wiki )サウンドだからよりロックな、迫力のある感じがする。
もう1つのポイントとしては、
かまいたちの方はスケールがハーモニックマイナー1つに対して、
メガテンの方は「ナチュラルマイナー」 ( google )と
ハーモニックマイナーを混ぜて使ってることかな。
とりあえずナチュラルマイナー(Nmまたはm)と
ハーモニックマイナー(Hm)のおさらいとして、
CNm
C D E♭ F G A♭ B♭
CHm
C D E♭ F G A♭ B
CMm
C D E♭ F G A B
真
違いは「Ⅶ」 の音(B)が♭してるかしてないか。
ちなみにマイナーは全部で3種類あって最後の1つが
メロディックマイナー(Mm)でこっちはⅥ度音もナチュラルになってる(上記参)。
そして話に戻るとメガテンの方は序盤に♭Ⅶ度音が一回だけ使われてて、
そのあとこの♭Ⅶが半音上がってナチュラルになって出てくるから
スケールの動きとしてはNm→Hmということになる。
ただどちらともに下降フレーズの中のたった一音だから、
この違いを絶対音感でもなくアナライズもなしに聴き取れるのはすごいよ笑
でも確かにその一音が印象を変えてることは間違い無いと思う。
俺はアナライズするまで気がつかなかったけど笑
別のスケールが使われているんのですね。
感覚的に違うと感じても明確には何が異なっているのか説明できませんでした。
解説ありがとうございます。
Ikkyū
ところで「ダンテ戦」イントロのパイプオルガンは
旋律的にはコトワリボス戦闘でのオルガンの「音価」 ( wiki )を伸ばしただけですか?
真
このオルガンのメロディーと前の曲のメロディーの動きは
まったく一緒というわけではないんだけど、
スケールの使い方は似てるよね。
Nm→HmというⅦ度音の使い方が。
ちなみにこのイントロの終わりの音がナチュラルⅦの音で、
Hmを決定付ける音だね!
Ikkyū
和音と音階がポイントだったんですね。
今後は局所的な和音を意識して聴いてみるようにします。
*to be continued...